目標でなくシステムを

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アダム・オルターさん。「人生を、達成すべき小さなマイルストーンの連続と考えるならば、あなたは『慢性的な敗北状態』でこの世に存在していることになる。ほぼつねに、目指す偉業や成功にまだ達していない自分として生きていることになるからだ。そして目標にたどり着いてしまえば、生きる意味をくれるものを失った自分になるだけ。だから新しい目標をつくって、また1からそれを追いかけていく。スコット・アダムスが提唱するのは、目標をよりどころに生きるのではなく、システムに沿って生きていくことだ。『長い目で見て幸せになる確率を高める活動を、日常的に行う』という意味である。作家なら、毎日500単語は執筆する。このシステムなら目標と違って、低いレベルのハイが安定して続く。一日一日、充実した人生が積み上がっていく」。毎日。

自然に触れると寿命が

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イングリッド・フェテル・リーさん。「野性の感覚への愛は、生物学者のE.O.ウィルソンが『バイオフェリア』と呼ぶものの重要な部分をなしている。バイオフェリアとは、人間に先天的に備わった、生きとし生けるものを愛好する性質を言う。時が経つうちに、バイオフェリアは実際的な関心から楽しみへと変わった。国立公園や動物園を訪れ、アメリカの家庭の68%以上が、少なくとも1匹のペットを飼っている。こうした動植物とのふれあいは健康に不可欠だとウィルソンはいう。自然に触れることで睡眠の質が向上し、血圧が下がり、寿命まで延びることが示されている。その理由として考えられるのは、自然の中で過ごすと、脳内の脳梁膝下野と呼ばれる、問題を思い悩む傾向と関係のある部位の血流が減少することである」自然環境が気苦労から解放する。

虹を愛し大喜び

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イングリッド・フェテル・リーさん。「ミニマリストは自然が簡潔さの上に成り立っていると吹聴するが、じつは自然は過剰さに満ちているのだ。カラフルな模様や過剰な動きといった、多大な労力の投資を必要とする”見世物”は、それほどのエネルギーを費やせるほど活力に満ちていることを誇示しているのだ。進化論者のデニス・ダットンは、絵画から音楽、民族模様に至るまでのあらゆる人間の芸術形態にも、同じ論理が当てはまると考えた。美しく豊かさに満ちた手のかかる芸術作品は、いわばハンドメイドのクジャクの羽のようなものだ。エネルギーと活力が満ちあふれていて、純粋な喜びに使えるほどありあまっている、ということを知らしめているのだ。『派手』という意味の語源であるラテン語の『ガウデーレ』は、『喜び』という言葉の語源でもある」豊かさ。

シンプル良しの固定観念

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イングリッド・フェテル・リーさん。「安価で入手しやすいものにあふれたこの世界では、飾り気のないシンプルな商品を選ぶことが、やせることや体を清潔に保つことと同様、正しいとされる。ほとんどの人がこの固定観念にとらわれ、模様や質感、豪華への愛が露呈して自己中心的な快楽主義者だと思われることを、無意識のうちに恐れている。しかし進化の歴史という長い目で見れば、生物が豊かさを誇示するのは、健康と活力の表れであることが多い。クジャクが扇のように広げる目玉模様の羽は、生存には不要だが、メスのクジャクに対し、このオスが素晴らしい繁殖相手であることを力強く明瞭に伝える。ニワシドリのオスは、花や葉、貝殻、プラスチックの破片までをもせっせと拾い集めて手の込んだすみかをつくり、求愛相手に勢力をアピールする」豪華。

ぽさを探る

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水野学さん。「どんな商品であれ企業であれ、僕が『コアターゲットは絶対に存在しなきゃいけない』と思っているのは、作業の骨組みだからなんです。幹を作ることでもありますね。その幹から枝葉を広げて、世界観をつくっていく。ネーミング以外にもいろいろな枝葉はあると思います。僕はよく、『〜っぽい分類』というのを自分でやるし、授業でも学生に実践させていました。どういうものかというと、たとえばくまモンなら、『そのクマはティディベアみたいに洋っぽいか、ヒグマみたいに和っぽいか』という具合に『ぽい』で分けていきます。対象物とは全然かけ離れた、別のものになぞらえて、『~っぽさ』を探って見る。そうすると、そのモノ事態にどんな魅力があるのかが浮き彫りになってきて、デザインやブランディングの方向性がクリアになっていきます」世界観。

紙吹雪は喜び製造機

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イングリッド・フェテル・リーさん。「大人の脳は触覚、味覚、嗅覚の刺激を受けると、感情を司る部位が大いに活性化される。特に触覚は、ストレス軽減や気分改善、集中力向上を促すことが分かっている。脳に情報が入ってこなければ、精神はゆっくりと異常をきたしていく。感覚的刺激に治療効果があることは、ヨーロッパでよく知られている。なぜ紙吹雪や水玉模様、ストライプにはこれほど大きな効果があるかを理解できるようになった。理由は意外にシンプルだ。小さなものが何度も繰り返されると、一つ一つのかけらよりもずっと大きな、はじけるような喜びになるのだ。ひとひらの紙吹雪は、ただの紙片にすぎない。でもそれを1000倍にすれば、手の平一杯分の世界一強力な『喜び製造機』を、『ポケットに入る歓喜』を、手に入れたことになる」カラフル。

豊かさの美学とは

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イングリッド・フェテル・リーさん。「荒川のいう感覚が五感しかないというのはナンセンスで、何千とある、というのは過剰な気がしたが、それでも科学者は一般的に12から21という数を挙げる。たとえば時間感覚、平衡感覚、方向感覚。そのほか満腹を知らせる伸縮センサーのような感覚や、空間の中で自分の体の位置を教えてくれる固有感といった、深部感覚もある。豊かな環境には精神を刺激し、憂鬱を長引かせないようにする何かがあるのだろうかと思った。本当に意味のある『豊かさ』とは、物質的蓄積ではなく感覚的豊かさだということだ。サーカスやノミの市があんなに楽しいのは、豊かで歓喜に満ちた感覚的刺激が得られるからだ。『豊かさの美学』とは、色と感覚、パターンを重ねることであり、それを実現するのに多くのものは必要ないのだ」感覚的。