ドーパミン快楽は底なし沼

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樺沢紫苑さん。「ドーパミンというのは、『依存症』の物質でもあるのです。お酒、薬物、ギャンブル、買い物、ゲーム、スマホ。こうした手軽に手に入る『快楽』でドーパミン的幸福を得ようとして、ドはまりすると、『依存症』になります。アルコール依存症、薬物依存症、ギャンブル依存症買い物依存症、などです。ドーパミン的な快楽は、『底なし沼』です。一度はまると抜け出すことは難しく、ズブズブと吞み込まれてしまうのです。ドーパミンは私たちに『自己成長』を引き起こしてくれる一方で、使い方を間違えると、『自己破綻』をもたらします。依存症になると、セロトニン的幸福もオキシトシン的幸福も失います。ドーパミン的幸福をどのように得て、どう付き合っていくかは、人生において非常に大きな鍵を握っているのです」どう付き合うか。

何はなくともまずストローク

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原田隆史さん。「人は二つの栄養を摂取します。ひとつは食べ物。炭水化物とか、蛋白質など体の栄養です。しかし、それだけではダメで、心の栄養、つまり人とのかかわり(=ストローク)も同じくらい大事になります。心の栄養、ストロークとは、『人を無視しない』『かかわる』という意味です。フェイス・トゥ・フェイスのコミュニケーションです。ストロークには四種類あります。『肉体的』は、握手や肩をたたくなどのスキンシップ。『心理的』は、あやす、うなずく、ほほ笑む、話を聞いてあげるなど。『条件付き』は、その髪型似合いますね、今の仕事よかったね、などひとつのことを切り出してほめる。『無条件』は、あなたがいてくれるだけでいい、という全面的なほめ言葉。できるマネージャーは、ストロークを上手に使っています」関わり。

光で気分を盛り上げる

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イングリッド・フェテル・リーさん。「日光は皮膚におけるビタミンD生成を促し、免疫システムを調節し、感情のバランスを保つ神経伝達物質セロトニンのレベルに影響を与える。日照時間の短い高緯度地方では、多くの人が季節性情動障害として知られる冬の鬱症状に悩まされる。光と気分は同じ軌跡をたどることが多い。光を減らせば喜びも減るのだ。世界中どこでも、人は暗がりを避け、光あふれる場所を探し、住まいに自然光を取り入れ、太陽あふれる南国に旅行する。日当たりのいい部屋で感じられる喜びは、健康の具体的な尺度とも一致する。日光を浴びると血圧が下がり、気分が向上し、集中力が高まり、生産性が上がることが、研究によって一貫して示されている。窓際に席がある従業員はより精力的で、仕事でもそれ以外でも身体活動量が高い」光と気分。

感情なければ理性なし

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リサ・クロンさん。「多くの人々は、理性と感情は両極にあるものと信じている。実のところ、感情がなければ理性もまったく存在しないのだ。脳科学者アントニオ・ダマシオの患者は、脳の損傷のせいで、感情を経験できなくなった。その結果、彼はまったく超然とした人間となり、すべての物事が中立であるかのような生活をするようになった。感情がなければ、選択肢はどれもまったく同等の重みを持つことになる。感情は脳の最も高い水準のゴールを設定するメカニズムなのだ。物語についてもまったく同じことが言える。何が重要で何がそうでないかを読者が感じることができないなら、物語の結末も含め、重要なことは何ひとつなくなる。だとすれば、作家にとって大事なのは、こうした感情がどこから生まれるかで、答えは単純だ。主人公から生まれる」感情を。

N字のプロフィール

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吉田浩さん。「魅力的なプロフィール作りの方法は4000年前からありました。ベースは『神話の法則』にあります。ヘラクレスを始め、日本の日本武尊など、あらゆる神話、伝説、昔話、おとぎ話に登場するヒーロー、ヒロインは、ボトムの【出発】から始まり、成長してトップに至り【成功】しますが、慢心してしまいボトム【失意】に落ちます。それを乗り越えて越えてチャレンジし、再びトップの【達成】に至るというN字のグラフの通りの人生を送っています。そして、このN字に沿った主人公は必ず、読者から愛されるのです。私たちは、成功しているだけの人を愛することはできません。人生のどこかで失敗し、大きな危機に陥り、それを克服するために大変な苦労をした人、知恵をしぼって困難を乗り越えた人だけが読者から愛されるのです」やはり三幕構成と同じ。

読者は意味を探る

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リサ・クロンさん。「すべての物語はたった一文でまとめられるという言葉をよく聞く。つまり読者は、最初の一文から、何かが変わろうとしている(必ずしも良いほうとは限らない)のを感じたがっているということだ。単純に言えば、人は関心を持つ理由を探している。人を物語に引き込み、その世界へ留めておくという状態は、ドーパミン作動性ニューロンが興味深い情報がやってきていると知らせることで起きる。最初のページですでにゲームは始まっていなければならない。読者は熱心に断片的な情報それぞれの重要性を探り、たえず『これは何を言おうとしているんだろう?』と考える。人間は食べ物なしで40日間、水なしで3日持ち堪えることができるが、何かに意味を見出すことができないと、およそ35秒しかもたないと言われる。それが本能なのだ」意味。

最初の一文から

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リサ・クロンさん。「物語では現実生活で煩わしい厄介ごとを全て無視し、目下の課題、即ち、”作者が巧妙に仕掛けた難題を解決するためには、主人公は何に向き合わなければならないか?”ということに集中できる。そしてこの難題が、起きるすべての物事を最初の一文から定めていく為、読者も冒頭からそれを追っていくことになる。たえず急かしてくる手近な状況から気をそらすためにも、物語はすばやく読者の心を捉えなければならない。驚きほど人の心を奪うものはない。普通じゃないことが起きていると感じれば、読者は強い関心を抱く。人は誰かの人生の決定的な局面に立ち会ったという気持ちを欲しがるもので、それがぎりぎりすぎてもいけない。つまり読者は、最初の一文から、藪の深みに誘いこもうとするパンくずの痕跡を見つけたいものなのだ」書き出し。