精神的に動揺させる

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北川貴英さん。「威嚇とは、自分を守る為に相手に精神的な揺さぶりをかけること。これを戦略としてとらえてみると、『精神的に動揺させる』→『要求を通す』という二段構えの作戦であることが分かります。ここに、『怒る相手に釣られて感情的になってはいけない』とシステマで教えるもう一つの理由があります。怒りや恐怖心によって冷静さを欠いてしまうこと自体が、『精神的に動揺させる』という威嚇の第一段階を達成させてしまったことになるのです。それはその瞬間に相手のコントロール下に入ってしまったことを意味します。だからこそ、怒りの火の粉が届いた瞬間にブリージングして怒りをかき消し、冷静さを保つように努めるのです。威嚇され、精神的に動揺する。その時、威嚇された側がとる選択肢は主に『逃げる』『反撃する』のどちらかです」威嚇。

 

緊張の根に恐怖心

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北川貴英さん。「人はなぜ怒るのでしょうか。怒りを発散するだけなら、一人で大声をあげたり暴れたりするだけで十分なはずです。なぜそれを身近な人に叩きつけようとするのでしょう。それは、怒りによって何かを伝えようとしているためです。では、どのようなメッセージなのでしょうか? システマでは、『あらゆる緊張の根っこには恐怖心がある』と考えます。つまり怒りとは恐怖心が変形したもの。怒りには自分が何かを恐れていることを伝える役割があることが分かります。怒る時、人は自らの攻撃性を相手に向けます。これは言わば『威嚇』です。こうした威嚇の目的は、自分の命を守ること。ですから縄張りや財産など、生命の維持に必要と思われるものを守るためにも行使されます。その根底にあるのは生きることへの執着、つまり死への恐怖心です」恐怖。

 

わたしとインターネット

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もともとは紙のカードに書きためていた。「知恵」の「カード」の「ライブラリー」で「知カラ」。インターネット上のほうが検索性があること、ブログであれば毎日ひとつずつ蓄積していけること、などがあり、「はてなブログ」でスタートしたのが2002年の4月18日だから20年目に入っている。タイトルを含め基本365文字にして、毎日欠かさずになったのが2010年。インターネットは流れていくものだ。10年もたてば、検索エンジンにひっかからなくなる。それでも、過去のブログは残っている。引用が多いけどたまに私小説的なことも書くこのブログは、まだ未完の連載ものだが、ひとつの長編と言えなくもない。とすれば、6000項目を超えるこのブログ全体を”文学”としてエントリーできるかもしれない。審査員の方々が全部を読んで下さるかは別にして。

 

はてなインターネット文学賞「わたしとインターネット」

 

nakatomimoka.hatenadiary.jp

怒りを受けた身体の変化

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北川貴英さん。「『自分に理不尽な怒りをぶつける相手』を思い出し、次に自分の身体に意識を向け、どんな変化が生じているか観察してみてください。よほど注意しないと見逃してしまうくらい微妙かもしれませんが、みぞおちがきゅっとすぼまったり、首が縮こまったりといった、何らかの微かな不快感が生まれているのが分かるかと思います。それらを一つ一つ、数え上げるようにして見つけていきます。続いて、これらの変化を詳細に分析します。肩がわずかにすぼまるのであれば、肩のどの筋肉がどのように縮むのかといったように、より具体的に緊張を見つめていくのです。次はこうして見つけた緊張を解くようにブリージングをします。鼻から息を吸う時、緊張している部位をさらに力ませ、口から吐くと同時にゆるめるようにするとなおよいでしょう」息。

怒りの火の粉を振り払う

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北川貴英さん。「争いとは、一種の共同作業です。ですから他者の怒りによって被る被害を最小に収めるための方法は、とても簡単です。この協力関係を放棄してしまえば良いのです。そのためには、まずは降りかかる火の粉を振り払い、自分が延焼してしまわないようにするのです。相手の怒りを鎮火しようと試みるのは、その後のこと。怒りの火の粉を振り払う方法、それもブリージングです。他者の怒りに接した時、身体に注意を向けると、わずかな緊張が生じていることに気づくでしょう。これは、怒りの火の粉が自分に届いたことを意味します。この時にすぐ、鼻から吸って口からフーッと息を吐くのです。相手の怒りにカチンと来たり、怖じ気づいたりした心はひとまず脇に置いておいて、あくまでも身体をリラックスさせるつもりで呼吸をするのです」呼吸。

毎日最低6キロ歩く

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北川貴英さん。「全身を巡った血液が静脈を通じて戻って来るには、筋肉の運動や呼吸による圧力がポンプのように働いて血流をサポートする必要があります。入院などでの寝たきりの生活や長時間の立ち仕事で足がむくんでしまうのも、このため。筋肉の伸縮が行われなくなることで、血液がうまく循環しなくなってしまうのです。その影響は当然、脳にも及んで来ます。酸素とエネルギー源となる糖分が満足に供給されなくなり、老廃物の排泄が滞ってしまうのです。だからこそシステマ創始者のミカエル・リャブコも、『毎日最低6キロ歩くこと』と『毎日一回、汗ばむくらいの運動をすること』を推奨しています。汗によって老廃物を排泄することで体内を浄化し、心身ともに健やかな状態を保つことができるのです。ストレッチをしたりするだけでも大違いです」運動

モアスローリー

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北川貴英さん。「ゆっくりと動くことで自覚される緊張はもともと身体に潜んでいたものです。ゆっくりと動くことで、日常ではなんとなくごまかせていた雑な動きや緊張を的確にあぶり出すことができるのです。すると分かるのが、私たちは実に多くの動きを無自覚のうちに行い、力みを抱えているのかということ。こうやって見出した緊張を一つ一つブリージングによって解消することで、心と身体を自らのコントロール下に回収し、『怒り』の暴走を防げるようになっていくのです。ゆっくりとトレーニングをする際のキーワードは、極めてシンプル。『モアスローリー、モアブリージング』です。例えば日常生活であれば、歩く、椅子から立つ、文字を書くといった動作を、スローモーションのように極めてゆっくりと、呼吸をしながら行ってみると良いでしょう」ゆっくり。