消費の空回り

昭和20年生まれの池澤夏樹さん続き。「ぼくが20代のころ、一所懸命に働けば何十年か先には暮らしが楽になると人は信じていた。それは案外早く実現したんだが、その後ですべてが軽くなった。重厚な目的意識はなにもない。革命もないし国家建設もない。まずはお金、暮らし、そしてちょっとした贅沢。それはよい日々だったが、いつのころからか消費が空回りを始めた。サイクルが短くなった。今、人はみなあまり遠い未来を見ないようにしている。ケータイの新機種くらいが安心できる話題。その先には不安が立ちはだかっている。怖くて目が向けられない。」目的意識をどうみつけるか。自分の周りまでだった意識をどうやって広げていくか。