学問の娯楽性

nakatomimoka2010-10-24

小山慶太さん。「学問にはもう一つ別の側面があることを見落としてはならない。それは、実利性とは対極にある娯楽性である。明治44年(1911年)、夏目漱石は『道楽と職業』と題する講演を行い、そのなかでいみじくも次のような趣旨のことを述べている。『芸術家や学者にとって、仕事とは道楽である。科学者が物好きにも、朝から晩まで実験室に閉じこもっている有様を見ると、これほどの道楽はないと感じる』というのである。漱石の愛弟子である物理学者、寺田寅彦も師と同じように、『科学に志す人へ』の一節でこう語っている『楽しみを学問にするというのはいけないことかもしれないが、自分はどうも結局、自分の我儘な道楽の為に、物理学関係の学問をかじり散らして来たものらしい』好きなことを三昧でやることの喜び、それを職業にしてしまうとはなんとまあ。