幸福ではなく楽を目指す

nakatomimoka2011-04-29

玄侑宗久さん。「仏教は苦からの解脱を目指したわけですが、どうも誤解されて困るのは、苦のない状態は『楽』なのであって、幸福ではないということです。幸福というのは、イメージがはっきりしない上にキリのないものですが、『楽』というのははっきりしているでしょ。身体や心に訊けば分かるものだと思います。もともとこの『楽』という字は木の台の上に置いてある太鼓を、両側から叩いている姿を象ったものですから、基本的に『楽しい』んです。音楽も聞こえてきます。また楽しんでいるからリラックスもしている。楽しくてリラックスしている状態については、安心しているし重心も低い。意識の在処が頭じゃないんですね。だから身体的にも極めて安楽なんです。それこそ神様と筒抜け状態ですし、そこに慈悲も智慧も発現するんだと思います」極楽を。