三品和広さん。「一寸先が闇という事実を受け入れたとき、我々は戦略をどのように捉えるべきなのであろうか。世の中には短期の変動がある。良くなったり悪くなったりする景気、需給の調整を反映する価格、訪れては去っていく流行、この類のものは絶えず移ろうようにできている。そういう短期変動から利することを狙って打つ手は、何はともあれ戦略と混同してはいけない。こうすれば儲かると、小賢しく立ち回る経営者は、予期せぬ変化に遭遇して、しっぺ返しを喰らうだけである。本物の戦略は、人知の限界を認めたうえで、短期の変動を上下間で相殺させる発想に立つ必要がある。これと同じ見解は、不確実性に満ちた株式投資の世界で語り継がれている」短期の変動と、長期のトレンドを見分けられる眼力と、小賢しく立ち回らぬ胆力を、我らに与えよ。
