伊藤元重さん。「家計部門は物を買わない。貯蓄をしている。保有している金融資産から借金を引いたネットの金融資産は、日本で年間可処分所得の約４倍。米・英が大体３倍、独・仏が２倍で北欧はもっと少ない。1996から2006年の10年間に大体３倍から４倍に増えている。企業というのは本来積極的に設備投資をし、あるいは研究開発、技術開発をしっかりやり、人材育成にカネを使い、チャンスがあれば海外に積極的に打って出て、さらにチャンスがあれば、Ｍ＆Ａをやって、そして将来の利益を高めると。これが企業の一番本来のあるべき姿だつろうと思う。ところが、企業セクターのキーワードは積極的展開ではなく、リストラであったわけです。だから、景気が悪く、内需がふるわない。にもかかわらず、膨大な貯蓄信金が金融市場に入っている」そういうしくみ。
