命をかける

nakatomimoka2013-10-13

松下幸之助さん。「小村寿太郎が、政務局長時代、閔妃事件が起こり、その事後処理に派遣されることになった。何分にも国際的な事件だけに思案に余った彼は、勝海舟を訪ねて教えを乞うた。すると海舟は次のように教えたという。『自分も江戸開城などの大きな交渉で苦労してきたが、結局いえるのは、死生を意にとめたら仕事はできないということだ。身命をなげうち、真心をこめてやるという腹さえ決まっていれば、あとはその場合その場合で考えたらいい』それを聞いて小村寿太郎も大いに勇気づけられ、当を得た方策をもって難局を解決し得たという。命をかける、ということはよくいわれることであるが、明治維新のきわめて大事な局面を鮮やかに打開してきた勝海舟のことばとして聞くとき、誠に強い実感をもって我々の胸に迫ってくるものがある」そこまでの心境を。