まず自得

nakatomimoka2014-05-09

安岡正篤さん。「人間はまず本当の自分ー絶対的な自己を掴まなければならない。これを仏教では『見性』といい、『論語』では『修己』あるいは『知命』という。これが『自得』である。自得ということは自ら得る、自分で自分をつかむということだ。人間は自得から出発しなければならない。金が欲しいとか、地位が欲しいとか、そういうのはおよそ枝葉末節だ。根本的・本質的にいえば、人間はまず自己を得なければならない。本当の自分というものをつかまなければならない。ところが人間いろんなものを失うが、何を一番失いやすいかというと自己である。人は根本において自分をつかんでいない。空虚である。そこからあらゆる間違いが起こる。人間はまず根本的に自ら自己を徹見する。これがあらゆる哲学、宗教、道徳の根本問題である」君子入るとして、自得せざるなし。