提供する価値をデザイン

小林三郎さん。「あまり知られていないかもしれませんが、本田宗一郎はデザインとデザイナーをとても大事にしていた。技術者には、『技術だけじゃダメだ。デザイナーになれ』とよく言っていました。デザインというと、色と形という意匠デザインを思い浮かべる人が多いけど、意匠に凝って格好だけでクルマをつくってもいいものはできません。どんな価値を提供したいか、というのが出発点で、それを素直にお客さんに伝えるのが良いデザインなのです。格好だけだとすぐ飽きられます。デザインというのは全てを統合するものなんですよね。その中に『コンセプト』や『価値』『本質』が包含されている。その意味では、宗一郎だってデザイナーなんです。突き詰めれば企業の本質は、お客さんに提供する価値をデザインしていくこと」企業価値をデザインする。