ブラインドを取り払う

nakatomimoka2016-06-18

冲方丁さん。「ジョーセフ・キャンベルは、『聖域を持つことが個人の至福に辿りつくすべになる』というふうに説いています。『自分はこういう社会的立場なのでこうしなければいけない』『経済的な縛りがあるので自分の時間は仕事に捧げなければいけない』といったことをすべて取り払い、『自分とは何であるか』という部分に立ち返らせてくれる場所が、ここでいう聖域です。第二の経験(社会的経験)という巨大なブラインドがかかった状態では、天から降り注ぐ超越的な経験が遮られてしまっているので、どこかでそのブラインドを取り払うわけです。よく旅行に出かけるような人は、第二の経験に呑み込まれかけていることを何となく自覚しているのかもしれません。ロッジで何週間か過ごすなど、静かな状況に身をおくことで社会を客観視できます」聖域を。