したたかで鈍い

nakatomimoka2016-07-29

渡辺淳一さん。「彼はナイーブで鋭くて、傷つき易かった。なまじ才能があり、自分でもあると思いこんでいたので、一度、傷つくと容易に立ち直れない。たしかに彼のような性格の男は、順調に進み、周りがちやほやしてくれるときには、すいすいと伸びていくのかもしれません。しかし逆に、一度風向きが変わるとたちまち挫折する。そこから、もう一度立ち上がって走りだすにいたるまでの気持ちの切り替えができず、回復が遅すぎて結局チャンスを失ってしまう。ここで改めて思い返すのは、人間が成功するかしかいかは、必ずしも才能だけではないということです。いいかえると、才能通りに成功するわけではない、といってもいいでしょう。改めて何が必要かというと、いい意味での鈍さです。したたかで鈍い鈍感力です」今風にいえば、レジリエンスか。運鈍根の鈍。