イニシエーション儀式

nakatomimoka2017-06-22

河合隼雄さん「相撲の仕切りが一番典型的ですね。相撲はスポーツの中でも特別で、立ち合いの瞬時の内に全力を出さねばならないスポーツですから、仕切りがなかったらできないのでしょう。つまり、普通の状態では駄目なんですね。勝負というのは非日常の世界ですから、そこに入るためにはイニシエーションの儀式(異なる世界へ参入するための儀式)が必要なのだと思います。作家でも、原稿用紙に書いてはクシャクシャッと丸めて捨てる癖のある人がいますね。あれは、その人にとってはそれなしに書けないという儀式なんでしょう。これもやはり、『これから日常から非日常に入りますよ』、あるいは『これから普通のエネルギーと違うエネルギーを使いますよ』ということを自分に言い聞かすために、それぞれ儀式があるんでしょうね」非日常への癖を作らむ。