労働する動物

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泉谷閑示さん。「いつの間にか人々は、人間らしい『観照生活』を失ったのみならず、人間らしい『仕事』も失って、歯車のような『労働』によって次々に消費財を生み出しては、取り憑かれたようにこれを消費するという、人間らしからぬ状態に陥ってしまったのです。つまり、私達の現代とは、決してギリシャ時代よりも進歩したのではなく、皆が<労働する動物>という名の奴隷以下の存在になり下がってしまい、人間らしい『観照』も『仕事』も見失ってしまった時代なのです。そんな本末転倒の時代にあって、少しでも人間らしい在り方を求める者は、『それから』の代助のように、『食う為』だけの<労働する動物>に成り下がることを潔しとせず、『観照生活』を求めて『高等遊民』という浮遊した在り方を選ばざるを得ないということもあり得るわけです」労働とは。