苦痛や不快を避ける

nakatomimoka2018-04-28

鈴木晶さん。「フロイトは、人間が幸せを感じるための方法には二種類あると述べています。まずは、『エスの中の快感原則に忠実に従う』という生き方です。しかし、エスに従うということは、すなわち世界のすべてと対立することを意味します。たとえエスの思い通りになって快楽を手に入れたとしても、エスはもっともっとと快楽を求め続けます。フロイトは、『快感原則が望んでいた状況も長続きすると、気の抜けた快適さをもたらすにすぐないのである』と否定的な見解を述べています。それに代わるものとして、もう一つ挙げたのが、『苦痛や不快をできるだけ避ける』という生き方です。『快楽を求めるよりも不幸を回避するほうが、ずっと幸福を感じる近道である』と考えたフロイトは、この方法こそが幸せに至る正しい生き方だと説きました」快楽より平穏。