受動的人間

nakatomimoka2018-10-28

エーリッヒ・フロムさん。「落ち込んだ人間は、自分が何かからっぽになったように感じる。まるで手足が萎えたかのように。活動するのに何かが欠けているかのように、身体を動かす筈の何かが足りない為にうまく動くことのできないかのように感じる。そこで、何かを摂取すると、からっぽだとか、萎えたとか、弱ったとかいう感じはしばらく消えて、自分はやっぱり人間だ、確かに何かを持っているし、無ではないと知覚する。人は自分の内の空虚を追い払うために物を詰め込む。これが受動的な人間なのである。彼は自分がちっぽけだという不安を持ち、その不安を忘れようとして消費し、消費人となる。刺激に対する反作用としての『能動』、あるいは外観は情熱のようでも実は外力に動かされている『能動』は、いかに大げさな身振りをしても基本的には受動である」受身。