集団全体の多様性

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内田樹さん。「競争させる為には、単一の『ものさし』で優劣を決定できなければなりません。『その他の条件が同じである』という場合でしか相対的な優劣は決定できませんから。100メートル競走の成績で全員を格付けするというルールにしたら、『空中浮遊』や『テレポーテーション』や『壁抜け』ができる人達はその能力を発揮のしようがない。むしろ低い格付けに甘んじなければならない。ですから、全員を競争的環境に投じると、成員たちは規格化・均質化する。集団全体としての能力や資質の多様性が失われるのは当たり前なんです。でも、僕達は個人で生きている訳じゃない。集団として生きている。だから、集団としてのパフォーマンスを考えたら、全員がそれぞれ『余人を以ては代え難い』能力の開発にいそしんだほうがいいに決まっています」それぞれ。