無意識に入れてあげる

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平信一さん。「わたしは小さかった頃、靴を脱ぎっぱなしにする癖がありました。こういうときに『何やってるんだ!』と叱ると、反発するか、泣き出すかになるでしょう。これでは意識上のやりとりで終わってしまって、無意識には入りません。しかし先代である父は、幼い私が何度同じことをしても怒りませんでした。満面の笑みをたたえて、わたしを呼んで『一緒に揃えよう』というんです。反発する気にもならないような、ものすごい笑顔なんですよ。また翌日、わたしはやってしまいます。それでも怒らず、父は何度も同じことを繰り返しました。何十回あったかわかりませんが、その内に、『靴を脱ぎっぱなしにすると気持ちが悪い』と自分で揃えるようになっていったんです。これはわたしの無意識に入るように、父が教えていたのだと思います」無意識に。