自己実現の弊害

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小池龍之介さん。「自己実現と並んで、オリジナリティーとか、独創性とか、個性というのが、この国では、やたらもてはやされています。私も少年時代、学校でそういう教育を受け、思い切り洗脳されましたが、はたと困ってしまいました。なぜなら、どんなに一生懸命、個性を出そうとしても、そんなものは全然ないんです。じゃあ、どうやったら個性が出せるか。ネガティブなことなら出せるんじゃないかと思ったわけです。ポジティブなことで個性を出すのはすごく難しいですが、ネガティブなことなら出せる。『自分はすごくダメな人間だ』『情けないほど足が遅い』『こんなに弱虫だ』というふうに、けっこう他の人との差を見つけられる。一時期、そうした自虐的発想により独自性を求める方に走ってしまったこともあります。でも、これまたよくない方法ですね」ふむ。