わかっている人

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斉須政雄さん。「わかっている人は、『一般的な合格点』のような料理の作り方をしない。一般的な料理のマニュアルに従った作り方から言えば、ちょっと足りないことやちょっと出過ぎたようなことを、時と場合によって、素材の様子によって使い分ける。そういった微調整ができることが、料理人の能力の重要な部分だとぼくは思う。料理はそういう微細な差を重ねた極致のようなものだから、同じような操作をしてもまったく違った結果になっていく。調整した方がいい所を、マニュアルからはずれて過不足なく補えるのが、わかっている人なんですね。それぞれの人は、修行時代からの味つけの失敗と成功の積み重ねの中で、微調整をしていきます。気の遠くなるほどの量の操作が体にしみついているかどうかが、センスという言葉で表される結果の差になってくる」センス。