ひとつの優れた特性で勝負

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斉須政雄さん。「先生から与えられた基礎はいつでも使えるわけではないのです。窮地に陥って、生みださなければならない時を切り抜けてこそ、料理は磨かれていく。学校で教わる基礎はどこでも通用する。でも、どこでも通用するものって、評価はされないのです。個性ではないものだから、オリジナルな仕事だとは見做されない。お客さんから、『あれではなく、これをぜひ食べたい』と思って貰えるには、人と同じ能力を持っているだけでは足りない。ひとつの優れた特性で勝負をする人の方が、何でもできる人よりも商品価値がある。あれもこれもこなせるというのは、平均から脱することのできないつまらなさでもあるからです。あれもこれもはできなけれど、これはできるよ、という料理の作り方をするほうが、お客さんは欲しがってくれるでしょう」個性。