社会的な救済措置

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三浦崇宏さん。「歴史的に見て宗教は、非常にクリエイティブな”社会的な救済措置”として捉えなおすことができます。バラモン教における、現在おかれている身分は前世の行いの結果であり、耐えて罪のつぐないをすれば来世で良いカーストに生まれ変わるという輪廻転生の思想に対して、人は現世の行いによって現世で解脱できると説いたのが釈迦です。『理不尽なつらい現実も耐えていれば来世ではいいことが待っている』と思い込んでいた民衆に、現世で正しい生き方をせよ、中道を歩み、煩悩を取り払って悟りを開け、そうすれば生の苦しみから解脱できると説いた。来世ではなく、今の生き方を説いた『仏教』というコアアイデアは、それまでの世界観を180度ひっくり返しました。『四姓制度を内面的に打破しようとした』(和辻哲郎)のが釈迦でした」革新的。