ペストとルネッサンス

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三浦崇宏さん。「ルネッサンスへの道を開いたのは、ペストのパンデミックでした。教会の権力が強大だった当時、疫病に罹ることは『神が下した罰』と見なされていた。ところが、感染の波はやがて聖職者をも飲み込みます。『信じる者は救われる』と説いていたその人までもが疫病で命を失うようになると、民衆は教会権力に対して疑念の眼差しを向け始めます。教会の権威が失墜し弱体化していく中で台頭してきたのが、農民たちです。特権階級が没落していく中で、市井の民が力を持つ時代がやってきました。彼らは、羅針盤を作って移動の可能性を広げたり、活版印刷を生み出して表現活動を加速させたりしました。大海に乗り出した商人達は莫大な富を得て、芸術や学問への資金的な援助をするようになります。その先にルネッサンスが開花したのです」転換点。