物語の良し悪し

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リサ・クロンさん。「人間は、出来の悪い物語には三秒と耐えられない。出来の良い物語もすぐにわかる。人は三歳ぐらいからその識別ができ、以来さまざまな形式の物語に耽溺する。人間の神経系統が、物語の最初の一文からこれは面白いとわかるようにできているのなら、面白い物語を書くのだって簡単なはずではないか? これについても、進化の歴史が答えを提供してくれている。そもそも物語は、人間の生命を維持する特定の情報を共有するため、仲間をまとめる方法として生まれた。『ほら、そこの若いの、そのつやつやした赤い実を食べちゃいかん、でないと隣のネアンデルタール人みたいなしわがれ声になるぞ、実は前に……』。そんなふうに、かつての物語は単純で実用的なものであり、現在ではゴシップと呼ばれるものとも大した差はなかった」人間と物語。