最初の一文から

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リサ・クロンさん。「物語では現実生活で煩わしい厄介ごとを全て無視し、目下の課題、即ち、”作者が巧妙に仕掛けた難題を解決するためには、主人公は何に向き合わなければならないか?”ということに集中できる。そしてこの難題が、起きるすべての物事を最初の一文から定めていく為、読者も冒頭からそれを追っていくことになる。たえず急かしてくる手近な状況から気をそらすためにも、物語はすばやく読者の心を捉えなければならない。驚きほど人の心を奪うものはない。普通じゃないことが起きていると感じれば、読者は強い関心を抱く。人は誰かの人生の決定的な局面に立ち会ったという気持ちを欲しがるもので、それがぎりぎりすぎてもいけない。つまり読者は、最初の一文から、藪の深みに誘いこもうとするパンくずの痕跡を見つけたいものなのだ」書き出し。