ホラーが好きな人には

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平山夢明さん。「世の中には『恐怖』を好む人間と嫌う人間がいるようです。まわりを見る限り、ホラーが好きな人間には、かつて恐怖に助けられた人が多いようです。怖い本を読んだり恐ろしい映画を観たりすることで人生を救われた、そんな経験をしているんです。『怖いものを見ちゃった、嫌な思いをしたな』と思う人と、『怖いものを見ちゃった、救われたな』と感じる人の差は、いったいどこにあるのでしょうか。僕は、両者の違いは、『人生がどれほど絶望的か』なのではないかと解釈しています。恐怖体験があまり好きでない人は、悩みを健全な形で前向きに解決できるタイプなのでしょう。一方、現実に絶望している人間にとって、劇的な体験のみが、現実からいっとき目を離し問題をサスペンドさせてくれるんです」劇薬によって抱えている悩みを形骸化。