武術の質の高さと

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内田樹さん。「武術の質の高さと人間的な質の高さは本来は合致するはずのものだとぼくは思っていたんです。技術の高い人は、それなりに努力家だから人間的に立派であるはずだというレベルの経験的なリンケージじゃなくて。武道の修行そのものが、ダイレクトに、修行する人間の総合力を高めていく。身体も知性も感受性も判断力も統率力も胆力も生命力も……およそ人間の綜合的な能力の全体を高めていくのが武道修行の本来の目的であるとぼくは漠然と信じていたんですけれど、そういうことを明確に理論家して、それを修行プログラムとして体系化している武道家って、殆ど存在しないんですよ。『心技体の一致』とか、『心身一如』とか言葉はありますけれど、どうやって『心技体』を一致させるのかを言語化している武道家というのは本当にレアなわけで」さて。