そこまでが残心

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内田樹さん。「武道の立ち合いというのは、『先を取った』ほうが勝ちなんです。『先を取る』というのは、別に物理的・空間的なポジションに相手より早く着く、ということではないんです。空間的に『速い』んじゃなくて、時間的に『早い』んです。時間的に早く動き出したものに、遅れた人間は必ずついてゆく。時間の流れって一方向しかない。合気道だと相手を投げ終わった後に、受けは空中を飛んでいって受け身を取った時にぱあんと畳を打つ音がする。そこまでが『残心』なんです。相手との接点がなくなったからといって、技を止めちゃいけない。ぱあんと音がしたところまで技は継続している。これはたぶん時間調整なんだと思うんです。技をかけているほうが時間的に先に行っているから、残心で時間調整。そこで受けと取りが同一時間に戻る」なあるほどね。