古今に深める

近藤康太郎さん。「転の①は、時間軸を長く考えることだ。できうる限り過去にさかのぼり、昔はどうだったのか考える。明治、大正はもちろん、平安時代飛鳥時代はどうだったのか。文献が残っている最古の所まで調べるつもりで、渉猟する。転の②は、東西に広げる。これも文字通り、空間軸を広げて考えることだ。日本以外はどうなのか、調べる。ネットに書いてあることが、『転』になることは、ない。道具として全集を使う。とくに柳田国男南方熊楠折口信夫の三巨人の全集は必携だ。転の③は、逆張り。世論の逆に賭けてみる。転の④は順張り。世論と同じように主張してみる。順張りはアイロニーがないと書けない。転の⑤は脱臼、ユーモアで背中を押す。脱臼法、『膝カックン』である。話の筋を変えてしまうこと。関係のない話を始めてしまうことだ」転。