余暇は仕事のための

オリバー・バークマンさん。「工場では数百人の人間が決まった時間に共同作業をするので、仕事と余暇は明確に区別されなければならない。そこで労働者たちは、新たな暗黙の契約を結ぶことになった。仕事に支障が出ない範囲であれば(二日酔いになるほど飲みすぎなければ)休みの時間には何をしてもいいという契約だ。表面的には、以前の暮らしよりも気楽になった。しかし同時に、新たな権威が君臨しはじめていた。いまや仕事こそが人の存在意義であり、余暇は仕事のための回復期間に成り下がったのだ。問題は、普通の工場労働者にとって、仕事は存在意義と呼べるほどの大事なものではなかったことだった。仕事はお金のためにやるものであって、満足を得るためのものではない。つまり労働者にとっては、仕事も余暇も、どちらも目的ではなくなった」為の。