安田隆夫さん。「基本的に人は曖昧な状況を嫌う。『居心地悪い』と感じるのが常だろう。分かりやすく明快な答えを出した方が、すっきりと気持ちがいいに決まっている。そういう意味で、『解』を求めるというのは、ある種の快楽に身を委ねる行為とも言えよう。しかし、安易に導き出した『解』は、必ずしも正解とは限らない。むしろ、そうではない場合のほうが現実には圧倒的に多い。逆説的に言えば、そうした快楽に身を委ねずに、難問に対して謙虚に模索しながら、ボトルネックから抜け出そうと真摯に格闘する姿勢そのものにこそ解がある。時間のテストとは、解と言う快楽に身を委ねることなく、曖昧さという居心地の悪い状態を耐え忍んで謙虚な気持ちで時間の経過を待つということ。曖昧さの許容は、運を良くする為の秘伝のロジックだと私は思っている」曖昧。