仁なる政の元は書籍

徳川恒孝さん。「17世紀の世界は悲惨であった。欧州では宗教戦争や30年戦争、米国では原住民との戦い、南米ではスペイン人が持ち込んだウイルスによりインカ・マヤ文明が滅んだ。その中で日本だけが隔絶された平和の時代を満喫する。住友家が大鉱山を発掘したり、三井家が為替を始め幕府勘定方の御用商になったりするなど現在の大きなビジネスもこの時代にルーツが多い。奇跡のような経済発展が進む中、相撲、歌舞伎、俳句など絢爛豪華な文化が花ひらく。この繁栄を支えたのは、教育制度と書籍の発行であった。家康が端倪すべからざると思うのは、関が原合戦の前に木活字を作って印刷を始めていることだ。『世の中が乱れて収まらないのは、人々が本を読まず、歴史から学んだりしないからだ。仁なる政の元は書籍を出すことである』」歴史に学ぼう。