2024-02-01から1ヶ月間の記事一覧

幸福を感じる力

内田由紀子さん。「GHNは、第四代国王が1970年代に『ブータンはGDPよりGNHを大切にする国にしたい』といったことに始まるといわれている。経済成長を目指しても人々が幸せにならないのであれば、経済成長というのはもしかすると緩やかでもいいかもしれず、逆…

若者の幸福感の変化

内田由紀子さん。「ブータンの幸福感は、いわゆる北米系の『獲得志向』の幸福感とはとても異なっている。もちろんブータンでも良い教育を受けること、あるいは自尊心を高くすること、労働意欲や経済状態は大切にされている。しかし、最も重視されているのは…

若者の幸福感の変化

内田由紀子さん。「こうした社会状況の中、若者の『幸福感』は変化している。現在の50代以上の『親世代』の価値観であった『努力して豊かになろう』というものはもはや若者の目標や願いとはなり得ない。『親よりも稼げるようになりたい』という意識は世界各…

心のあり方は二階建て

内田由紀子さん。「日本の心のあり方は今、二階建ての家のようになっているのではないだろうか。一階が協調性なら、二階は独立性である。協調性が長く根づいてきた一階の基礎部分だとすれば、平屋建てだった日本の心のあり方に、グローバリゼーションと市場…

ソーシャル・キャピタル

内田由紀子さん。「ソーシャル・キャピタルは、平たくいえば個人あるいは社会のなかで醸成される『つながりの力』である。頼ることができる親しい人が近所にいる。あるいは滅多には会えないが、遠方に情報交換をできる友人がいる。これらはいずれも『つなが…

固定理論と拡大理論

内田由紀子さん。「人間の能力は生まれながらにしてある程度『固定的・永続的』であるという考え(固定理論)を持っている場合、ある領域における自分の能力に自信をもっていなければ、その領域での努力を継続することは難しい。それゆえ、課題に対する自分…

相互協調的自己感

内田由紀子さん。「北米で繰り返し検証される自己高揚傾向(自分が他者よりも優れていると考える傾向)などはこの表れともいえるだろう。これに対し、日本において主にみられる相互協調的自己感は、①人は他者や周囲の状況などと結びついた社会関係の一部であ…

相互独立的自己観

内田由紀子さん。「相互独立的自己観とは、①人は他者や周囲の状況から区別された属性によって定義される『主体性』を持った実体であり、②人の行動の原因となるのは内部にある属性そのものであり、③対人関係は互いの相手に対する関心や、向社会的動機づけに基…

人生楽ありゃ苦もあるさ

内田由紀子さん。「バランス志向的幸福は、さまざまな形でわたしたちの物の考え方に影響を与えている。自らの人生だけではなく、他者の人生や出来事に対する予測にもバランス志向的解釈がみられる。『幸せすぎるとそのうち良くないことが起こるのではないか…

人並みの日常的幸せ

内田由紀子さん。「逆に不幸せ感についても同様の調査を行ったところ、アメリカ人の記述の9割が悪い側面についてのものであったのに対し、日本では『不幸せには美しさがある』『不幸せは、自己向上のきっかけとなる』など、肯定的要素を30%ほど見いだしてい…

バランス志向的幸福

内田由紀子さん。「日本では、幸せな状態はその時々で変化するものであり、良いことばかりが続く人生というのはなかなかない、という価値観が生活の中で根づいている。物事には良い面と悪い面の両面が同時に存在するという『陰陽思想』の影響がある。あまり…

足るを知るの精神

内田由紀子さん。「欧米において個の内面的望ましさの最大化によって幸福感が得られるとすれば、自らのなかに望ましい属性を見いだし、『誇り』をもってそれを表現していくことが必要となるであろう。これに対して東洋においては、幸福感とはそれを追求しな…

望ましさの最大化

内田由紀子さん。「欧米、特にプロテスタントの流れを組む北米中流階級の社会で幸福感が自己の内的望ましさの最大化によって定義されている事の背景には、個々人が『神に選ばれた者』と自覚し、それを証明する為に禁欲的に働く事が人生の目標であり『善』で…

幸福感の定義の背景

内田由紀子さん。「従来の心理学の理論においては、主体的幸福感とは自らの属性・状態・環境に対する肯定的な認知的・感情的判断とされてきた。つまり、自らの中に『良い』と評価されるような事象が多く存在していることが幸福を感じる条件となる。このよう…

幸福感の意味の違い

内田由紀子さん。「北米では自己の能力の発現である『個人的な達成』が幸福の主な要素であり、自分に誇りを持ち、達成感を味わうことではじめて幸福が実現するとされているのに対し、日本においては幸福が関係性の結びつきの確認として定義されている。幸福…

文化的な状況と

内田由紀子さん。「価値観は同じ人の人生の中でも、様々な状況によって移り変わる。幸福とは社会・文化的な状況と、個人の性格特性や志向性などの価値観を反映するものである。アメリカにおいては、『幸福な人物とは、若く健康で、良い教育を受けており、収…

一律ではない幸福

内田由紀子さん。「幸せの形は一人ひとり違っている。人類は古今東西を問わず同じように幸せを求めている訳ではない。しかし一方で共通点も多くある。不幸せな時間よりも、幸せな時間を過ごすこと。意義深く温かい人生を送ること。安全かつ快適に暮らすこと…

選択は競争を生む

内田由紀子さん。「個人が『家』や『会社』から自由になり、人生にとって大切な選択が個人のものとして保障される社会は、個人の権利意識を守り、未来に希望をもって人々が幸せを得るための選択をすることを推奨する近代社会のあり方として、いまやその是非…

結婚の選択の自由

内田由紀子さん。「1956年に『ここに幸あり』という松竹映画が公開されているが、この映画の内容は女性が自由な恋愛と個人の意思で結婚すること、そこから『幸』を得ることができるのだという現代的意識の幕開け的なものになっている。1970年に見合い結婚の…

個人の選択の自由

内田由紀子さん。「イングレハートはさまざまな国の幸福感の分布と、時系列での変化を分析し、個人の選択の自由(職業選択の自由など)が上昇することが、国の幸福度を高める要素となっていことを論じている。広井の議論に基づけば、選択の自由度が幸福感を…

選択の自由と幸福

内田由紀子さん。「個人の自由な選択は、近代社会における個人の幸福を語るうえで、非常に重要なトピックスの一つとなっている。広井は幸福概念を大きく分けるとするならば、『リベラリズム的』なものと『コミュタリアリズム的』なものの二つが存在すると論…

幸福と友人関係

内田由紀子さん。「家族以外の他者との関係も幸福感に深くかかわっている。身近な関係においてはつきあいの質への評価が幸福感と関連しており、つきあいの数はあまり関係しないことが示された。しかしより様々な人とのつきあおうとする『開放型』の関係性を…

人生を無駄にしない

ビル・パーキンスさん。「私達が一番恐れるべきは『80歳になった時に潤沢な資産があるか』ではない。人生と時間を無駄にしてしまうことなのだ。あなたは、何も考えずに働き、貯蓄し、できるだけ資産を増やそうとしていたこれまでの人生を変え、できる限り最…

期間内でやりたいことを

ビル・パーキンスさん。「これは、いわゆる一般的なバケットリストとは対照的だ。期間を区切らない従来型のバケットリストは、年齢を重ね、人生の残り時間が少なくなってきたことに気づいた人が、焦る気持ちで、生きているうちにやりたいことを書き出すこと…

死ぬまでにやりたいこと

ビル・パーキンスさん。「あなたはすでに、『死ぬまでにやりたいこと』のアイデアをいくつも頭に描いているはずだ。たとえば、子どもを持つ、ボストンマラソンを走る、ヒマラヤをハイキングする、家を建てる、特許を申請する、起業する、『国境なき医師団』…

タイムバケット

ビル・パーキンスさん。「『タイムバケット』というツールでは『自分は残りの人生で何をしたいのか』を、大まかな時間的枠組みのなかでとらえることができる。このツールを使えば、死ぬまでに経験したいことを各段階別にリストアップして行動計画を立てられ…

もっと自分に忠実に生きれば

ビル・パーキンスさん。「ブロニー・ウェアは余命数週間の患者達に人生で後悔していることについて聞いた。最大の後悔は、『勇気を出して、もっと自分に忠実に生きればよかった』であった。他人が望む人生ではなく、自分の心の赴くままに夢を追い求めればよ…

記憶の配当

ビル・パーキンスさん。「記憶の配当は、とても強力で価値がある。あなたも、記憶の配当から価値を引き出せる。とても楽しかったバケーションのことを思い出してほしい。その旅行についてあなたは、友人に話したり、自分ひとりで旅の回想をしたり、一緒に旅…

経験は配当を与える

ビル・パーキンスさん。「時間や金をかけて何かを経験するのは、その瞬間を楽しむ為だけではない。経験は私たちに、尽きることのない『配当』を与えてくれる。それが、『記憶の配当』だ。経験は、継続的な配当を生み出す。人間には記憶があるからだ。私たち…