2024-04-01から1ヶ月間の記事一覧

記憶力と年齢

池内裕二さん。「歳を取れば、記憶力は衰える—人口に膾炙したこの俗説に、私は反対の立場をとっています。確かに、老年性アルツハイマー病などの認知症になれば、神経細胞は脱落して記憶力は低下します。しかし、これはあくまで脳疾患です。実際には発症しな…

α波が弱い時にパット

池谷裕二さん。「『揺らぎ』は万物に付帯します。空気は静止することなく風を生み、海も波を生む。自然は揺らぐのです。脳もまた揺らぎます。脳波はその典型例でしょう。私たちの判断基準や精神状態が一定でないのも、脳回路の揺らぎのせいです。脳の揺らぎ…

少ない情報から

池谷裕二さん。「二人のアーティストの絵画があります。40枚を一作品ずつ見せていくので、どちらの作家が好みかを決めて欲しいのですが、何枚見ればどちらのアーティストが自分の好みかを判断できると思うかの実験が行われました。判断に要すると参加者が予…

単純接触現象

池谷裕二さん。「広告の真の意味は、単純接触現象にあります。『なじみがあるものに安心感を覚える』という無意識の心理です。例えば、スーパーマーケットの棚に、品質も値段も同等な二つの商品AとBが並んでいたとします。商品AがCMで何度も接しているものだ…

出しておくべき手

池谷裕二さん。「浙江大学の王志堅博士らは、じゃんけんを続けるとき、どんな手を出しやすいかを解析しています。データによれば、2回連続して同じ手を出す確率は50%に上るそうです。とくに勝ったりあいこだったりした場合に、同じ手に固執する傾向があり…

じゃんけん必勝法

池谷裕二さん。「5回勝負のじゃんけん連戦では、1手目はパー。後は『グー→チョキ→パー』と順番に出せばよい、但し、あいこだった場合、次は『グー→パー→チョキ』と逆順にする。単純な戦略ですが、勝率は五割を超えます。まず、グーとチョキとパーの分布が…

労働の価値について

池谷裕二さん。「『コントラルリーローディング効果』は、ヒトも例外ではありません。実験を、就学前の幼児に対して行うと、ほぼ100%の確率でレバーを押すことがわかります。成長と共にレバーを押す確率は減っていき、大学生になると五分五分の選択率となり…

対価を払うほうが

池谷裕二さん。「ある団体に所属する時、希望すれば誰でも入会できる場合と、厳しい審査を経て仲間入りができる場合を設けます。すると、たとえ根拠のない儀式であっても何らかの入団基準があったほうが、入会後に、その団体への所属感や愛着が強くなります…

トーン・コントロール

グループ・ニヒトさん。「まず、ヨイショは声のトーンが大事です。ヨイショのトーンを操ることを『トーン・コントロール』といいます。トーン・コントロールの基本は、相手の調子・テンション・気分に合わせることです。つまり、相手が上機嫌であれば、楽し…

ヨイショの基本三原則

グループ・ニヒトさん。「ヨイショは、次の三つの要素がそろったときに、もっとも効果的だと言われています。①ほめる、②へりくだる、③好意・思いやりを示す。これを専門家の間では、『ヨイショの基本三原則』と呼んでいます。ヨイショとは、『相手の気分をよ…

夜目・遠目・傘の内

池谷裕二さん。「チアリーダー効果は次のように説明されています。群像を眺める時、脳は自動的にその平均的な傾向を割りだします。脳は自然と顔についても集合写真の全体の傾向から、『平均顔』を割りだすのです。ここで大切な事は、平均的な顔はクセがなく…

チアリーダー効果

池谷裕二さん。「活躍したプロ野球選手のインタビューを見たけれど、期待したほどのイケメンでなかった。人気アイドルグループの中心人物がソロ活動したのに一向にうだつがあがらない。合コンで知り合った人とデートしたらがっかりした。そんな話をよく聞き…

脳内モルヒネ

池谷裕二さん。「オピオイドは別名『脳内モルヒネ』です。強烈な快感を引き起こします。放尿が爽快感と恍惚感を伴う理由はここにあります。登山やマラソンは、身体が人工的な危機に曝されている疑似的状況です。時にこの危機感がクセになる常習者がいるのも…

ピンチの恍惚

池谷裕二さん。「脳は痛みを消すための専用回路を備えています。緊張状態になるとこの回路が作動し、痛みを感じなくなるのです。痛みは身体の異常や組織のダメージを知らせるシグナルです。不快感を惹起し、気力を低下させ、活動量を減少させます。これは早…

過去を振り返れば短い

池谷裕二さん。「考慮すべきポイントは、時間を現時点から過去方向に見るか、未来方向に見るかの差です。未来の時間軸は、過去の時間軸とは尺度が違うのです。小学校の卒業式の答辞で『振り返ればあっという間の6年間でした』という文言は常套句です。つまり…

時間割引説と変化知覚説

池谷裕二さん。「年齢を重ねるほどに『時が早く過ぎる』と実感します。物理時間の経過は一定なのに、感覚的な長さが変わるのはなぜでしょうか。よくある説明が『時間割引説』です。5歳児にとっての1年間は人生の20%に相当しますが、50歳の大人では僅か2…

学習意欲と野次馬

池谷裕二さん。「なぜかヒトは、真実を知ることに快感を覚えます。真実を追求することには、生存における利点があります。たとえば足の裏が痛い時、単に痛がるのではなく、傷みの原因を探って刺さったトゲを抜いたり、今後その場所を裸足で歩くのを避けたり…

類は友を呼ぶの原理

池谷裕二さん。「『類は友を呼ぶ』の原理はそれだけでしょうか。名前や出身地が同じというだけで仲間意識が生まれるのは、どうしてでしょうか。自分と同じ誕生日の著名人に一方的な親近感を抱いている人も少なくありません。さらに、自分と風貌が似ていても…

走馬灯ライティング

柿内尚文さん。「人生の最期に見る走馬灯がどんなものになるかはわかりませんが、自分の人生を今、走馬灯のように想像することはできます。もし今、あなたの人生の最後の瞬間だとしたら、どんな人生の走馬灯を見ると思いますか?走馬灯を想像した時に出てく…

死ぬ時に後悔するかも

柿内尚文さん。「『それをやらなければ、自分が死ぬときに後悔するかもしれない』ものはどれか? 例えば、僕は珈琲が好きで、全国の珈琲の名店に行って見たいと思っています。これは中の箱。しかし、もしやれなくても死ぬ時に後悔はしないだろうと思います。…

やりたいこともどきを

柿内尚文さん。「『大の箱』に入った項目はそのままで当面はOKです。機がまだ熟していないので、箱に入れておきます。一方で、『小の箱』に入ったことは、早速スケジュールに入れ込んでください。もし、『スケジュールに入れるほどではないな』と思ったり、…

やりたいことを三つの箱に

柿内尚文さん。「やりたいことをノートやスマホ、手帳などに全部書き出してみてください。大きなことも、小さなことも、やりたいと思っていることを全部です。例えば、『人気ラーメン店に食べに行きたい』『話題の映画を観に行きたい』『同窓会を開催したい…

先送りする夢は

柿内尚文さん。「夢って、忙しいと先送りするものなのだろうかと。『夢』の意味を辞書で調べてみると、おもしろいことに気がつきました。(1)将来実現させたいと思っている事柄、(2)現実からはなれた空想や楽しい考え。夢という言葉を(1)の意味で使…

継続を思い出に変える

柿内尚文さん。「『やりたいこと』には、『一度やってみたいこと』と『継続的にやってみたいこと』があります。一度でいいから絵画『モナ・リザ』を生で見てみたい。これは一度やってみたいことです。ゴルフをはじめたい。これらは継続的にやってみたいこと…

立てたスケジュールで

柿内尚文さん。「手帳をアポイントや定例事項などの予定管理のためだけに使うのはもったいない。人生は手帳に何を書き込むかで、大きく変わります。たとえば手帳に面白い予定、ワクワクする予定、刺激的な予定、幸せになりそうな構想、そんなスケジュールが…

時間のエピローグ化

柿内尚文さん。「刑事ドラマのエンディングで欠かせないシーンがあります。それは、犯人がなぜそんな犯罪をしたのかを、主役の刑事がドラマの後半で説明(謎解き)をするシーンです。最後に犯行の謎解きという『意味付け』をしてくれることで、納得感を得る…

プロローグ化

柿内尚文さん「おいしく食べるために大切なのは、料理の味だけでなく、そこまでのプロローグです。人生の節目というストーリーもプロローグになりますし、なによりお腹がすいていることは最高のプロローグです。『プロローグ』とは序章とか序幕のことですが…

幸福の条件

アランさん。「そういうふうに運命について不平を言うことは、不幸を増すことであり、笑う希望をすべてあらかじめとりあげてしまうことであり、そおんために胃そのものまでいっそう悪くなるからである。もしひとりの友人がいて、なにかにつけて悲痛の思いで…

幸福の条件

斎藤環さん。「『幸福の条件』がわかっている。ポジティブ感情を頻繁に経験することは重要だが、強烈なポジティブ感情そのものは幸福にあまり関係がない。幸福には基準点があり、直近の出来事に影響されて上下するが、すぐにもとの基準点に戻る。幸福に関連…

笑うから幸福なのだ

斎藤環さん。「なぜなら私たちには『幸福を演ずる』ことができるからだ。それが最後の項目、幸福の『⑥末梢性』である。これは簡単に言えば、『幸福のふりをしていれば、幸福になれる』というほどの意味である。『幸福だから笑うわけではない。むしろ、笑うか…