2022-09-01から1ヶ月間の記事一覧

現在地をゆっくり楽しむ

オリバー・バークマンさん。「都市部をちょっと離れれば、ヘルシンキのバス路線は分岐して、それぞれのユニークな目的地へ向かう。そこからが個性的な仕事の始まりだ。でもそこにたどり着けるのは、人真似だと言われてもくじけずにつくりつづけ、粘り強く技…

小さな行動を着実に繰り返す

オリバー・バークマンさん。「ロバート・ボイスは、学者達の執筆習慣を長年研究してきた。その結果、最も生産的で成功している人達は、一日のうち執筆に割く割合が『少ない』という意外な事実が明らかになった。ほんの少しの量を、毎日続けていたのだ。彼ら…

問題のある状態を楽しむ

オリバー・バークマンさん。「僕たちは何か問題があると、すぐに解決済みのチェックを入れたがる。急いで問題を解決していけば、いつか『何の問題もない状態』に到達できるのではないかという幻想を抱いているからだ。でも、何ひとつ問題がない状態なんて、…

心理的な回避行動

オリバー・バークマンさん。「他の何かを感じない為に、まるで薬を飲むように、忙しさで脳を満たしているのだ。スマホに手を伸ばし、やることリストに取りかかり、ジムのマシンでせっせと運動する。それらはすべて、心理的な回避行動とも呼べるものだった。…

読書に没頭できない

オリバー・バークマンさん。「現実のスピードを速めたいという欲望は、人々の読書体験にも現れている。ここ10年ほど、本をよもうとするたび、『没頭できない』『気が散って仕方ない』と強く感じる人が増えてきた。この感覚も、実は一種の焦燥感だ。読書とい…

趣味に生きる

オリバー・バークマンさん。「『非目標性の活動』をもっと日常的な言葉に言い換えるなら、要するに『趣味』だ。まあなんとなく安っぽくなってしまうので、セティアがその言葉を使いたがらなかったのも理解できる。いい大人が趣味に没頭するのは、なんとなく…

人生の空虚さ

オリバー・バークマンさん。「哲学者であり徹底した悲観論者だったアルトゥール・ショーペンハウアーは、人の欲望の必然的な結果として、このような人生の空虚さは避けられないと考えていた。こういう論理だ。人はみんな、さまざまな目標を達成しようとして…

非目標性の活動

オリバー・バークマンさん。「哲学者のキーラン・セティヤはこういう活動を『非目標性の活動』と呼ぶ。好きな曲を聴いたり、友人と会って話をしたりするとき、僕たちは何らかの目標に向かっているわけではない。その価値は目標達成ではなく、ただその活動を…

休息のためのしくみ

オリバー・バークマンさん。「実際、休息の何たるかを最初に理解したのは、各種の宗教だった。休息は、仕事を中断すれば自動的に得られるものではない。休息を得るためには、何らかのしくみが必要だ。それを理解していたから、宗教は休息のルールを色々と定…

休息を休息として

オリバー・バークマンさん。「『時間を無駄にしたくない』という気持ちの中には、どこか永遠の救済への憧れに近いものがある。日々のあらゆる時間を努力で満たしていれば、いつか幸せな未来がやってくる。そう信じる気持ちは宗教とたいして変わらない。全て…

怠惰嫌悪

オリバー・バークマンさん。「病的なまでの生産性依存は、世の中に広く蔓延している。社会心理学者はそういう状態を『怠惰嫌悪』と呼ぶ。何もしないことが嫌で仕方ないという意味だ。マックス・ウェーバーは、こうした態度が現代人の精神の核心にあると主張…

日本が悪い時代が悪い

楠木健さん。「一番都合がいいのは『日本』というマクロシステムです。生まれた国は選べないからです。日本というマクロ条件は他責鬱憤晴らしの性能に優れている。同じ他責の犯人探しでも、『上司が悪い』『会社が悪い』と言ってしまえば、『じゃあ、転職し…

他責鬱憤晴らし

楠木健さん。「言うまでもなく、『人の不幸は蜜の味』は刹那的です。『没不幸』どころか、一瞬の慰みでしかありません。そのときは気分がなんとなくスカッとして、それに比べりゃ自分はまだマシだと思えても、相対的幸福感は30秒後には雲散霧消してしまいま…

人の不幸は蜜の味

楠木健さん。「人間誰でも幸せになりたいと思う。と同時に、とにかく面倒なことを回避するという怠惰もまた人間の本性。手っ取り早く幸せになる方法を探そうとする。そこに口を開けて待っているのが、刹那的な疑似幸福の罠です。すなわち、『人の不幸は蜜の…

幸福と没不幸

楠木健さん。「これは面白い考え方だと思ったのがアメリカの心理学者ハーズバーグのに要因理論です。二要因とは何か。ひとつは人間の幸福や満足を促進する『動機付け要因』です。もうひとつは人間の不幸や不満足を少なくする要因で、ハーズバーグはこれを『…

何もしないで休む

オリバー・バークマンさん。「現代に生きる僕たちは、休みを『有意義に使う』とか『無駄にする』という奇妙な考えにすっかり染まっている。将来に向けて何らかの価値を生み出さないものは、すべて単なる怠惰でしかない。休息が許されるのは、働く元気を取り…

余暇は仕事のための

オリバー・バークマンさん。「工場では数百人の人間が決まった時間に共同作業をするので、仕事と余暇は明確に区別されなければならない。そこで労働者たちは、新たな暗黙の契約を結ぶことになった。仕事に支障が出ない範囲であれば(二日酔いになるほど飲み…

真の余暇

オリバー・バークマンさん。「アリストテレスは、真の余暇(彼にとって内省と哲学的思索を意味していた)こそが、あらゆる美徳の中で最高のものだと論じている。なぜなら余暇は、それ自体以外に目的を持たないからだ。戦争で勇敢に戦うことも美徳だが、それ…

余暇まで生産的に

オリバー・バークマンさん。「時間をできるだけ有効活用しようとすると、余暇まで生産的に使わなければならなくなる、とジョン・デ・グラーフは指摘する。何もせずにのんびりするのが余暇の目的だったはずなのに、それだけでは足りない気がしてくるのだ。休…

自分は今ここにいる

オリバー・バークマンさん。「ティク・ナット・ハンは『日々のありふれた活動に没入する』ことが大事だと説く。でも実際、お皿を洗うことに心身を集中しようとしても、そんなにうまくいくものではない。自分がちゃんと没入できているかどうか気になって、結…

どうすれば今を

オリバー・バークマンさん。「『今を生きる』のは、しかし、そう簡単なことではない。どうすれば、今を生きられるのだろう? 今ここにいようとすればするほど、自分は今ここにいないような気がする。目の前の体験を味わおうとすればするほど、その体験が味気…

気まずい現実

オリバー・バークマンさん。「現代人の生きづらさを、すべて資本主義のせいにするわけにはいかない。本当のことをいうと、僕たち自身も、進んで資本主義的な道具化に加担している。『自分自身を将来のための手段として使う』という自虐的な行為を、僕たちは…

ビラブルアワーの不幸

オリバー・バークマンさん。「高給取りの企業弁護士が往々にして不幸である理由は、ビラブルアワーという慣習にある。企業弁護士の報酬は実際に仕事をした時間で決まるので、ビラブルアワー、つまり金になる時間を増やさなくてはならない。自分の時間を、言…

明日のことは明日が

オリバー・バークマンさん。「『明日のことを心配してはなりません』と言うキリストの教えの意味が腹落ちしたのは、ジッドゥ・クリシュナムルティを通じてだった。『実は、私は何が起ころうと気にしないのです』。悲しみや哀れみや怒りを感じてはいけないと…

ホフスタッターの法則

オリバー・バークマンさん。「ダグラス・ホフスタッターが提唱した法則。『どんな仕事であれ、常に時間は予想以上にかかるものであるーたとえホイスタッターの法則を計算に入れてもだ』。だからタイムマネジメント術でよく言われるような、『必要と思われる…

嫌な現実から逃れたい

オリバー・バークマンさん。「僕たちの邪魔をするのは気晴らしの対象ではない。嫌な現実から逃れたいという、僕たち自身の欲求だ。気晴らしへの欲求をすっかり消滅させる方法が存在するとは思えない。僕たちにできる最善は、不快感をそのまま受け入れること…

気晴らしの誘惑

オリバー・バークマンさん。「そう考えれば、いわゆるデジタルデトックスとか、メールを決められた時間にだけチェックするという戦略がうまくいかない理由は明らかだろう。気晴らしの対象を物理的に制限するのは、確かにデジタル依存症の治療には役立つかも…

退屈は忌避反応

オリバー・バークマンさん。「退屈がつらいのは、目の前のことに興味がないからではない。退屈とは、『ものごとがコントロールできない』という不快な真実に直面したときの強烈な忌避反応だ。退屈はいろんな場面でやってくる。困難なプロジェクトに取り組ん…

気晴らしに屈するのは

オリバー・バークマンさん。「なぜ僕たちは、自分が本当にやりたいと思っていることに集中できないのだろう。なぜやりたいことをやらずに、やりたくもない気晴らしに逃げ込んでしまうのだろう? もちろん、ある種の活動は本当に嫌だったり、怖かったりする。…

味わい満喫する

前野隆司さん。「ユージニア・ゴーリン教授の研究続き。『味わう』があります。何事も味わい、満喫することは幸福度を高めます。例えば、涙。涙を我慢するよりも、悲しいときは泣き、うれし涙も堪えないほうが幸せです。笑いも、おもしろいとき、楽しいとき…