2020-11-01から1ヶ月間の記事一覧

人参を追い回す馬

塚本亮さん。「目標があまりに遠いと、くじけそうになるのは自然なことなのです。今のような時代には、短期的な目標を立てながらそれに向かっていくことが大切です。短距離走を連続で行うような感覚です。とにかくここまで頑張ろうということで、それに全力…

すぐに裏を返す

塚本亮さん。「相手に自分を強く印象付けるにはどうしたらいいか。その際に効果的なのは、初対面から時間を置かずに再開する機会を持つことです。人は時間が経つと多くのことを忘れます。自分と会った記憶が消えない内に、相手の脳に自分の存在を定着させる…

CMはあなたを否定

さとうみつろうさん。「人間に行動を起こさせるには、『目の前以外の場所』へ行きたくさせればいい。『現状以外の場所』へ行きたいと思わせるようなCMを打てれば、購買が起こる。『そのままではダメですよ』と言えばいい。全てのCMが消費者の『現状』を…

やりたいことを

さとうみつろうさん。「(1)やりたいことを、(2)やりたい時に、(3)やれている状態のことを、『幸福』と言う。定義はこれだけ。この3拍子が揃っていないと人間は幸福なんて感じられない。逆に言えば、やりたくない時にやっても、それはしあわせじゃ…

愚痴は自分自身を縛る

さとうみつろうさん。「ニーチェは著書でルサンチマンのことを、『行動では示さないので、単なる想像上の復讐で埋め合わせしようとしているヤカラ』と書いています。ルサンチマンとは社会的な弱者が、権力者などの強者に対して『怨み、憤り、批難』の感情を…

人は怠け者がデフォルト

アダム・オルターさん。「人がつい怠けがちな場面で生産性を高めるためのデザインとして、ゲーミフィケーションは効果を発揮する。どんな状況であれ、人はたいてい怠け者であることがデフォルトだ。人間は頭を使いたがらない。それどころか、『それだけわか…

ゲーミフィケーション

アダム・オルターさん。「ゲーミフィケーションとは、ゲームでない体験をゲームにしてしまうことを言う。2002年にこの造語を考案したのはニック・ぺリングだ。中心にあるのは、『体験そのものを報酬にすべき』という発想だ。共通する3つの要素。ポイント制…

依存症3つの要素

アダム・オルターさん。「人を依存症にするゲームには必ず3つの要素がある、とアンディ・ドアンは私に語った。『第1の要素は没入感だ。ゲームの中に入りこむ感覚があること。第2の要素は達成感で、何かを成し遂げている感覚があること。そして第三の要素…

最適相違

アダム・オルターさん。「社会心理学の研究によると、人間は否定的な発想より肯定的な発想の方を都合よく採用するものらしい。だが、自分自身を高く評価する一方で、人は否定的なフィードバックに対して過敏になる傾向もある。ある心理学の論文では、これを…

社会的相互依存

アダム・オルターさん。「インスタグラムを開発したシストロムたちも、人間には他人と比較したい永遠の欲求があることを見抜いていた。写真を撮るのは思い出を自分で見返すためでもあるが、基本的には、他人に見せるのが一番の目的だ。投降した写真には、『…

クリフハンガー

アダム・オルターさん。「人間は完了した体験よりも、完了していない体験のほうに、強く心を奪われる。これが『ツァイガルニク効果』と呼ばれる現象だ。課題に要する作業に取り組み始めた被験者には、それを完了しなければならないという疑似的なニーズが生…

ルディック・ループ

アダム・オルターさん。「ゲームの世界では、こうしたフローの感覚を『ルディック・ループ』と言う。ラテン語で『遊ぶ、ふざける』を意味するludereから来た言語だ。謎を1つ解いて、つかの間の興奮を味わい、また新たに解くべき課題と出合うとき、人はルデ…

上達すると心地いい

アダム・オルターさん。「苦労の感覚は、依存体験を形成する重要なカギとなりやすい。単純ながら史上最も依存性が高いと言えそうなゲーム『テトリス』がその代表的な例である。長続きする理由は、テトリスが自分と一緒に成長していくからだ。最初は易しいが…

難易度のエスカレート

アダム・オルターさん。「研究者たちは、『ほとんどの人間は、何もしないより何かをするほうがよいと考える。たとえそれがネガティブなものであっても』と考察している。おだやかな心地よさが一定期間続くと、それを適量の苦痛で打ち破りたいと考える人が多…

進歩の実感

アダム・オルターさん。「宮本茂は、遊ばずにいられないビデオゲームの作り方を知っている。スーパーマリオブラザーズには初心者を引きつける力がある。何しろ最初のハードルが低いのだ。スタートした瞬間から楽しむことができる。ゲーム開始の最初の数分間…

フィードバックの罠

アダム・オルターさん。「エレベーターのボタンを押して光るのを見たい子どもと同じく、ゲームをする人も、自分のしたことで何か変化が起きたという感覚を喜ぶ。その感覚がなければ、ゲームに対する関心も失ってしまう。ここで言うジュースとは、ゲームの基…

幸運天使

アダム・オルターさん。「それでもずっとハズレが続けば、どれだけ血眼になったギャンブラーでも、だんだん興味を失い始める。勝率設定を変えて、ハズレが続いたあとに当たりやすくすることは簡単なのだが、残念ながらアメリカではそうした調整は違法だ。カ…

当たりに偽装したハズレ

アダム・オルターさん。「現代のスロットマシンでは、実際にはスピン1回で差し引き50セント損しているというのに、マシンが派手な光と音であなたを祝福するので、そのフィードバックに思わず嬉しくなってしまうのだが、それは文化人類学者のシュールをはじめ…

予測不能なフィードバック

アダム・オルターさん。「光であれ、音であれ、何らかの変化という形でフィードバックがあることを、人は快感と感じるのである。人も動物も、確実な報酬よりも予測不能なフィードバックを好む。エサが出る確率を100%でなく50%から70%の確率にしたときのほ…

目標信仰の末路

アダム・オルターさん。「度を越しさえしなければ、個人的な目標を掲げるというのはまったくもって妥当なことだ。目標があればこそ、限られた時間や目標をどう使うべきか見えてくる。だが現代では、求めもしない目標が向こうからやってくる。ソーシャルメデ…

目標でなくシステムを

アダム・オルターさん。「人生を、達成すべき小さなマイルストーンの連続と考えるならば、あなたは『慢性的な敗北状態』でこの世に存在していることになる。ほぼつねに、目指す偉業や成功にまだ達していない自分として生きていることになるからだ。そして目…

自然に触れると寿命が

イングリッド・フェテル・リーさん。「野性の感覚への愛は、生物学者のE.O.ウィルソンが『バイオフェリア』と呼ぶものの重要な部分をなしている。バイオフェリアとは、人間に先天的に備わった、生きとし生けるものを愛好する性質を言う。時が経つうちに…

虹を愛し大喜び

イングリッド・フェテル・リーさん。「ミニマリストは自然が簡潔さの上に成り立っていると吹聴するが、じつは自然は過剰さに満ちているのだ。カラフルな模様や過剰な動きといった、多大な労力の投資を必要とする”見世物”は、それほどのエネルギーを費やせる…

シンプル良しの固定観念

イングリッド・フェテル・リーさん。「安価で入手しやすいものにあふれたこの世界では、飾り気のないシンプルな商品を選ぶことが、やせることや体を清潔に保つことと同様、正しいとされる。ほとんどの人がこの固定観念にとらわれ、模様や質感、豪華への愛が…

ぽさを探る

水野学さん。「どんな商品であれ企業であれ、僕が『コアターゲットは絶対に存在しなきゃいけない』と思っているのは、作業の骨組みだからなんです。幹を作ることでもありますね。その幹から枝葉を広げて、世界観をつくっていく。ネーミング以外にもいろいろ…

紙吹雪は喜び製造機

イングリッド・フェテル・リーさん。「大人の脳は触覚、味覚、嗅覚の刺激を受けると、感情を司る部位が大いに活性化される。特に触覚は、ストレス軽減や気分改善、集中力向上を促すことが分かっている。脳に情報が入ってこなければ、精神はゆっくりと異常を…

豊かさの美学とは

イングリッド・フェテル・リーさん。「荒川のいう感覚が五感しかないというのはナンセンスで、何千とある、というのは過剰な気がしたが、それでも科学者は一般的に12から21という数を挙げる。たとえば時間感覚、平衡感覚、方向感覚。そのほか満腹を知ら…

豊かさは行き過ぎて

グリッド・フェテル・リーさん。「お菓子屋を自然にたとえるなら、さしずめ青々として草木が生い茂り、肥沃な土壌と豊かな水、食用の動植物に恵まれた場所だろう。これは今日でさえ人々が暮らしたいと考える環境である。緑豊かな環境への選考は、いわば人間…

過剰なものの魅力

イングリッド・フェテル・リーさん。「なぜ、たくさんだと『うっとり』するのか。『お菓子屋さんで目移りする子どものよう』とは、アメリカ文化で喜びを象徴するイメージの一つで、ものがあふれる世界に解き放たれたときに湧き上がる、強烈な有頂天の喜びを…

メール中断の破壊力

アダム・オルターさん。「目標文化が拡大している証拠はいくらでも見つかる。書籍に「目標追求」という言葉が登場する回数は1950年を境に爆発的に増えた。目標を1つ達成して終わりではなく、完了するごとに次の目標を設定せずにはいられない性質を『完璧主…