自己模倣はやらない

山下達郎さんがオリジナルとして7年ぶりとなるアルバム『ソノリテ』を発表した。そのインタビューで、こう言っている。「『忘れないで』はカンツォーネだし、『SECRTET LOVER』は不倫の歌。他にも色々挑戦しているから、意欲作で異色作。キャリアを重ねたことで歌の幅を広げられると思った。歳を重ねても自己模倣だけは絶対やりたくないから」と。ちなみに『ソノリテ』とは音の響きという意味だという。歌にしても、文体にしても、その人固有の「〜節」というような感じのものがある。有る歌がヒットすると、ある小説が売れると、注文としては○○と同じようなものを、というものが求められる。映画のパート2のようなもの。それを毎回打ち破れる努力をできる人だけが、息が長く続いていくのだろう。模倣の注文が来る自己の確立が先だが。