この世のメドレー

nakatomimoka2018-05-27

町田康さんの講演「町田康、その創作の原点〜『どつぼ超然』から『生の肯定』へ〜」をNHKのカルチャーセンターに聴きに行った。結果を生みだす原因の「なんで」をいろんなレベルで追求するのが物語。自己を描く私小説が多くの場合失敗するのは、自分には甘くなってしまうし、人間は自分で自分をコントロールできないから。文学は(カラオケで気持ちよく歌っているように)自己を表現するものではない。小説を書くことを教室で学ぼうとする人たちの中で、小説を書くには手品の「ネタ」みたいな仕込みがあり、それを学べるものだと思っている場合は根本的に間違っている(小説は奇跡のようなもので、鳩が出てきてしまう)、というような話を。サイン会で、『どつぼ超然』のある歌が出てくる箇所が好きだと申しあげたら「あれ、笑けるよね」と返して下さった。