思い詰めない練習

江川淑夫さん。「自信とは、自ら作り出すものであり、さらに涵養し、目減りを補充して維持する細心の努力を継続してこそ、ようやく求め得る。心・技・体の統合の中で到達するある種の境地である。しかし、その境地はまことに移ろいやすく、ひ弱な、朝露にも似る。手にしたと思った瞬間に壊れてしまうこともある。その時に落胆しないためには、何事も『思い詰めない』練習を常時に課す。即ち、半分は必死に努力する。他の半分は最初から捨てておく。莫大な自惚れをもって、譲歩する余裕を負荷する。主体的に、自分の側から捨てたことにしておけば、手に入らなかったこと、または手からもれてしまったことに対しても、執着、失望、落胆は生じない。それらから距離の間合いを置くことは、国際事業の激流を泳ぎ切る必須条件である。」自信を補充する努力を。