日米欧の『よりよく生きる』

nakatomimoka2009-11-10

池澤夏樹さん。「よりよく生きるという言葉の内容が、日本やアメリカとヨーロッパとでは少し違うようなのだ。日本人はつつがなく生きようとしている。周囲の人々から浮かないようにつつましく暮らし、大過なく人生を送る、日本の社会が個人に要請するのは基本的にはそういうことだ。これが日本の社会の雰囲気を決めている。アメリカの場合は基本テーマは成功への促しだろうか。個人は持って生まれた才能を発揮して高い地位に昇り、才能の成果を社会に返すことが求められる。倫理は一歩遅れてついてくる。だからアメリカは世界の先頭を切って変化している。新しいものはすべてアメリカから来る。そしてヨーロッパでは、特にカトリックの国では、人は神の意思にかなうよう誠実に生きなければならないという暗黙の前提が社会にある」ふうむ。