止むに止まれぬ思いから

nakatomimoka2012-02-21

入江観さん。「人は何故、絵を描くのか?を考える。人類で初めて絵を描いた人のことについて、想いをめぐらせてみる。(略)それが、意識的に物の形を写すことの始まりであったか、単なる衝動であったかは分からない。いずれにしても、それは依頼や命令などによるものではなく、止むに止まれぬところから発していたはずである。やがて原始社会は王制や宗教に軸を求めて展開して、美術もまた、そうした社会の要請に応じることになるが、そうした枠組みの中でも、人の心を打ってくるのは、その仕事を成した個人の中に、抑えがたいものを内包しているかどうかにかかっている。だとすれば、時代が変わろうが、表現形式が多様化しようが、それが止むに止まれぬ思いから発しているかどうかだけが問われているに違いない」そういう思いが、あるか。