金井壽宏さん。「自己実現は、若い内はなかなかできなくて、何十年もかかることがあります。欲求階層説の図を見ると、下にいくほど強い本能に根ざしていますが、下にいくほどその欲求が満たされるまでにかかる時間幅は短いんです。生理的欲求として、『のどが渇いたから水を飲む』は１０秒ですよね。安全の欲求として、『保険に入ろうか』と迷った末に、入って安心するのが一週間くらい。所属と愛の欲求として『あるチームが結成されて、やっと１年でチームらしくなってきた』というので数ヶ月くらい。他者からの承認と自尊心の欲求は、『社長表彰を受けるような研究ができた』となれば３年や５年はかかります。そう考えると、自己実現はもっと長い人生経験を通じてなされることがわかるかと思います。また、自己実現は欠乏動機ではありません」内から。
