無能唱元さん。「現在に、現状に、感謝しろとなぜ口をすっぱくして言うんでしょうね。それは今、自分の感情がプラス、すなわちピンクの類になっていないと運命が危ないからなんです。だから、死にもの狂いで感謝しろって言うんです。嬉しくなくても、つらくとも感謝しないと、危なくなるんですよ。ちっとも嬉しくなくても、ああ、うれしいな、ありがたいなと言っているうちに、なんとなく嬉しくなってくる。仏教のほうではこれを『感謝行』といっております。やたらめったら、『ありがとうございます、ありがとうございます』と五〇回くらい言っていると、かなり否定的な、陰の人でも、いくらか明るくなってくる。今あるものを数えない。あるものを数えて絶えず感謝する。ありがたいと感謝していると、情念がバラ色になる」そうか。船井さんの３０回はこれだったのだ。
