むさぼらないこと

nakatomimoka2015-11-17

道元著をひろちさやさん訳で。「最初の布施というのは不貪である。不貪とはむさぼらないこと。むさぼらないというのは、世間の人の言葉だとへつらわないことだ。たとえ自分が全世界を支配下に置く統治者となっても、人びとに正しい道を教えるためには、不貪でなければならない。たとえば、宝を捨てて見知らぬ人に施すようなものだ。遠くの山から花を採って来て如来に献じ、持って生まれた天賦の才能を人びとに施す。教えであれ、財物であれ、それぞれの人が他人のために布施できるものを生まれながらにして持っているのだ。自分が何も持っていなくても、その人は貪らなければいいのであって、布施ができない道理はない。この布施が縁となって生じる力は、天界から人間世界の隅々まで及び、悟りを開いた聖者にまでも通じる」他人に布施できるものはなにか。