夜目・遠目・傘の内

池谷裕二さん。「チアリーダー効果は次のように説明されています。群像を眺める時、脳は自動的にその平均的な傾向を割りだします。脳は自然と顔についても集合写真の全体の傾向から、『平均顔』を割りだすのです。ここで大切な事は、平均的な顔はクセがなく魅力的に映るという事実です。コンピューターグラフィックスを用いて顔画像を合成する時、より多くの顔を合算するほど魅力度が高まります。だから、『集団の平均顔の点数が、個人の実点の平均顔よりも高くなる』のです、チアリーダー効果は単純な現象のようで、意外と奥深い脳の高次な計算結果なのです。人の魅力を高める効果が知られているのが『隠蔽』です。例えば女性が美しく見える条件として『夜目・遠目・傘の内』という言葉が有名です。脳は隠蔽されている部分を理想像で補うのです」成程。