耐える力を

nakatomimoka2017-10-13

洪自誠さん。「昔の人は、『山を登るときは険しい斜面に耐えて登り続け、雪道では、危険な吊り橋に耐えて前に進め』と言ったが、この『耐える』という言葉には深い意味がある。この世には善人もいれば悪人もいる。その中を渡り歩くのは容易ではない。しかしそこであきらめたり逃げたりすれば、山道で藪や穴に落ち込むように、さらに苦しい状態に陥る。大切なのは、『耐える』力を身につけ、辛抱強く生きていくことだ。(略)ゆったりした気持ちというのは、濃厚な美酒が飲めるような裕福な暮らしの中からは生まれない。それは、豆の粥をすするような貧しい暮らしの中から生まれるのだ。また、物の情緒を感じる心というのは、空虚な静けさの中からは生まれてこない。それは、笛や琴の素朴な音色から生まれるものである。素朴の中にこそ真実の味わいがある」耐える力。