池谷裕二さん。「『類は友を呼ぶ』の原理はそれだけでしょうか。名前や出身地が同じというだけで仲間意識が生まれるのは、どうしてでしょうか。自分と同じ誕生日の著名人に一方的な親近感を抱いている人も少なくありません。さらに、自分と風貌が似ていても親近感を感じることが知られています。たとえば、金銭トレードゲームでは、自分の顔と似ている人を信用し、より多額を投資します。この傾向は情報共有や出会いの頻度だけでは説明できません。似たもの同士が惹かれ合う『利点』は何でしょうか。幼児たちは本能に導かれ、自然と自分と似た人を選ぶわけです。脳は『未知の危険』に敏感です。見知らぬ人に囲まれたときには、少しでも知った顔に似ている人と過ごしたいと願うことは、潜在的な危険を回避するための重要な欲求です」類は友を呼んでいるか。
