梁塵秘抄

「遊びをせんとやうまれけむ/戯れせんとや生まれけむ/遊ぶ子供の声聞けば/我が身さへこそゆるがるれ」トレーの中に、この言葉を貼っていた時期がある。仕事は仕事であり、道楽にできはしないが、本質の所で「遊び」をせんと生まれてきた、即ち一種の無償の行為、純粋にプロセスのよろこびを与えてくれる要素が仕事の中に見いだせないか、というようなことを考えていた。天職といわれるような仕事なら、そのような状態になるのか、端からみれば遊びに見える行為も仕事となると厳しいものなのか。