幸福な読書  

精霊の守り人」など、守リ人シリーズで小学生を中心に人気のある児童文学者、上橋菜穂子さんの講演を聞きにいった。文化人類学者としても大学の助教授をしている方なのだが、講演の中で、図書室から借りてきた本を、紅茶とクッキーを部屋に持ち込んで、心ゆくまで楽しんだのが最も幸福な読書体験であったという話があった。秋の夜長というけれど、読み終わってしまうのがもったいないと思えるような本を、紅茶とクッキー片手にして、じっくりと読んでみたいものではあるが、あれは学生時代などの特権で、今では叶わないものなのであろうか。